【家族葬の弔問】弔問はお断りできる？辞退のマナーと弔問時の注意点について解説します。

参列者を限定し、少人数で行う家族葬では、葬儀に参列できない代わりに弔問に訪れたいと思う関係者の方も多くいらっしゃいます。そんな中、「弔問をお断りするのは失礼にあたるのでは」と悩まれているご家族様や、反対に、「弔問に伺ってもいいものか」と迷われている関係者の方も多いのではないでしょうか。今回は、家族葬における弔問辞退のマナーや、弔問する側のマナーについて解説したいと思います。

弔問を辞退したいとお考えのご家族様はもちろん、弔問を希望されている関係者の方も、ぜひ参考にしてください。

家族葬とは

家族葬は、ご家族・ご親族・ご友人の方など、故人様と特に親しくされていた方のみで行うご葬儀です。多くの関係者が集まる一般葬とは違い、親しい方々と、アットホームな雰囲気の中、故人様との最後のお別れの時間を過ごすことができます。家族葬の参列者や人数に決まりはなく、ご家族だけで行う数人の家族葬もあれば、親しかったご友人なども交え数十名でおこなう家族葬もあります。

弔問とは

弔問（ちょうもん）とは、弔意を示すためにご遺族を訪問し、故人様に最後のお別れをすることをいいます。お通夜やご葬儀には「参列する」「会葬する」を用いるのが一般的ですので、「弔問する」という場合は、ご葬儀の前か後に、安置施設やご自宅を訪れて、弔意を示すことをさすことが多いです。

家族葬での弔問は、お断りしてもいい？

故人と関係のある方なら誰でも参列できる一般葬とは違い、家族葬は、参列者を限定しておこなうご葬儀のため、お通夜や告別式に参列できない方が、事前か事後にご自宅等への弔問を希望されることが多くなる傾向にあります。家族葬を選択される方は、「形式的なことにとらわれず、自由な葬儀をしたい」と考えるご家族様が多いため、香典や弔問などを辞退されるというケースも少なくありません。つまり、家族葬における弔問辞退は、めずらしいことではなく、マナー違反でもありません。特に、新型コロナウィルスによるパンデミック以降は、県をまたいだ移動や、大勢が集まって密になることなどを意識的に避ける傾向が見られ、弔問を辞退したり、遠慮したりすることは、より一般的になってきているといえます。

弔問辞退でご家族様が気をつけること

弔問をお断りすること自体はマナー違反ではありませんが、弔意を示したいという相手の気持ちを踏みにじるような断り方はしないでください。また、相手を傷つけてしまわないかと気を遣って周りくどい断り方をしてしまうのもできれば避けたほうがよいです。弔問を辞退する場合は、相手の気持ちを尊重しつつ、お断りしたいという明確な意思をハッキリと伝えることが大切です。また、弔問に限らず、香典・供花・供物・弔電なども辞退される場合は、合わせてお伝えしましょう。

●弔問辞退を書面でお伝えする場合の例文
父 ○○○儀
天寿を全うし　去る○月○日〇〇歳の生涯を終えました
生前の御厚誼に深謝し　ここに謹んでご通知申し上げます
誠に勝手ながら　父の希望により　家族葬を執り行いました
本来なら　事前にお知らせすべきでしたが　
通知が遅れましたことを　お詫び申し上げます
なお　故人の希望もあり　
香典　供花　供物　弔問　弔電につきましても　
ご辞退申し上げます
生前中に賜りました　御厚誼に心より御礼申し上げ
失礼ながら　書中をもってお知らせ申し上げます

　　　　　　　　　　　　　　　　○年○月○日
　　　　　　　　　　　　　　　　住所　○○○○○○
　　　　　　　　　　　　　　　　喪主　○○○○

●口頭でお伝えする場合の例
せっかくのご厚意ではありますが、故人の意向により弔問は辞退させていただきます。

ポイント

・「重ね重ね」「閉じる」「引き続き」などの忌み言葉は使わないように注意しましょう。
・書面の場合、句読点はつけません。
・葬儀に参列いただかない方への訃報は、葬儀後にお伝えしましょう。葬儀前にお伝えする場合は葬儀の日時や場所などを記載すると間違えて参列に来てしまう方が出てくるので気をつけてください。
・葬儀後に訃報を知らせる場合は、初七日を過ぎて四十九日までの間にお伝えするようにします。
・お断りの理由は「故人（もしくは遺族）の意向」とするのが明快です。

事前？事後？　弔問するタイミングの目安

家族葬で葬儀には参列できなくても、故人様やご家族様に弔意を示したいという気持ちから弔問を希望される方は多くいらっしゃいます。その場合、事前か事後、どのタイミングで弔問していただくのが良いかは、その方と故人様との関係性でも変わってきます。

通夜前に弔問していただく

一般的にご家族や、１親等〜３親等までのご親族は、お通夜の前に弔問するケースが多いです。またそれ以外の方でも、特に故人様と親しくされているご友人の方が、お通夜の前に駆けつけるというケースもあります。また逆に、3親等までの親族であっても、遠方で駆けつけることができないなどの理由で、事後に弔問するというケースもあり得ます。

葬儀後に弔問していただく

上記以外のご友人・知人の方は、葬儀後に弔問されるケースが多いです。
事後に訪問する場合は、いつ伺うかのタイミングも重要です。あまり早すぎてもご迷惑なので、なるべく葬儀後3日〜四十九日までの間に伺うようにします。また、事前にご家族様への確認をし、許可を得た場合にのみお伺いするのがマナーです。

弔問する側のマナー

これから弔問に訪れようとしている方は、ご家族様のお気持ちに配慮し、希望を押し付けないことが最低限のマナーです。もし弔問することが叶わなくても、いろいろな形で弔意を伝えることはできると思います。葬儀から四十九日までの時間は、ご家族様が故人様とのお別れをする大切な時間でもあるため、極力邪魔をしないという姿勢で、ご家族様のご意向を尊重することを一番に考えましょう。

弔問時のマナー

・事前連絡について

先方にも予定や都合があるので、必ず事前にご連絡して許可を得てから伺います。

・香典は持参する？

通夜前の弔問の場合、香典は持参しないのが一般的です。通夜または告別式に参列する際にお渡しするか、参列されない場合も、後日お悔やみの手紙と共に郵送などでお送りするなどの方法を取ります。

葬儀後の弔問の場合は、基本的に香典は持参します。
ただし、香典辞退の意向がある場合は、いずれもご家族様のご意向にそってお持ちしないのがマナーになります。なぜなら、香典をお渡しするということは、相手に香典返しの手間をかけてしまうことにもつながります。そのような形式的なことを省略したいというお考えから家族葬を選択されるご家族様も多くいらっしゃるため、必ずご家族様のご意向にそった対応をしましょう。

・お花やお供え物は持参する？

基本的に、通夜前の弔問の場合は持参しません。ただ、お花や故人の好物をお供えしたいという理由でお菓子などを持参するのであれば問題はありません。また、通夜前にご遺体のそばに添える枕花（まくらばな）をお贈りする場合もあります。枕花は5000円〜20,000円くらいのご予算で、葬儀社やフラワーショップにて手配してもらうことができます。

葬儀後の弔問の場合は香典を持参するため、手土産はあってもなくても問題ありません。できるだけ日持ちのするもので、殺傷をイメージさせる肉・魚類は避けてください。また香典や弔問同様に、供花や供物も辞退されるご家族様もいらっしゃるので、辞退の意向がある場合はそのご意向に従いましょう。

・弔問のタイミングは、初七日〜四十九日の間

あまり早すぎても、ご家族様の心の整理がついておらずご迷惑になることもあります。弔問にうかがうタイミングは初七日〜四十九日の間にし、葬儀の次の日などのバタバタしている時期はなるべく避けましょう。

・弔問時の服装

故人様の死を連想させてしまうため、喪服で行くことはマナー違反になります。弔問時の服装は、女性ならワンピース、男性ならカジュアルめなスーツなど、カジュアルすぎない平服が良いと言われています。

・長居はしない

弔意をお伝えしお線香をあげたら、長居をせずにお引き取りするのがマナーです。

弔問以外の弔意の伝え方

昨今は、感染症対策などの観点から直接お伺いすることがなかなか難しいことも多いと思います。その場合は、弔問以外の方法で弔意をお伝えしましょう。

通夜開始前に間に合うのであれば弔電をお送りしたり、供花や供物をお贈りするのもよいです。また、お悔やみのお手紙を添えてお香典をお送りしたり、あまり長電話にならない範囲で、電話で弔意をお伝えするのも良いと思います。このように家族葬では、あくまでもご家族様のご意向にそった対応が求められますので、諸々辞退の意向があればそれに従うなど、相手への配慮を忘れないようにしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。
家族葬の弔問については、弔問される側もする側も、一定の知識とマナーを知っていると、トラブルを未然に防ぐことができます。正しいマナーを守って、お互いに相手の気持ちに気遣いながら進めていくことが何より大切です。
年々スタンダードな葬儀として定着しつつある家族葬ですが、まだまだ多くの方に知られてない暗黙のルールも多くあります。特に弔問についてのマナーは、今後相手との関係性を良好に築いていくためにも必要な知識ですので、ぜひ参考にしてください。

最後になりますが、家族葬のらくおう・セレモニーハウスでは、多彩な家族葬プランをご用意しています。無料のアフターサービスなど充実の内容で、24時間いつでもご連絡を受け付けておりますので、まずはお話だけでもお気軽にお電話ください。
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