ご葬儀のこと
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【エンバーミングとは?】必要とされるケースや施術の流れ
エンバーミングとは?必要とされるケースや施術の流れについて
家族葬のらくおう・セレモニーハウスの葬祭ディレクターの金です。
みなさんは、ご遺体を生前のお姿に近い形に保つ技術「エンバーミング」をご存知ですか。
ご遺体を腐敗から守り、衛生的な状態を保つ目的で行われるエンバーミングは、土葬中心のアメリカでは9割以上の方が行っています。日本でも年間4万件以上の実績があり、近年注目が高まっている技術です。
今回はそんなエンバーミングについて、費用や流れ、メリット、注意点などをお伝えしたいと思います。
エンバーミングとは
ご遺体を衛生的に保つために、防腐・殺菌・修復処理を施す技術のことをエンバーミングと言います。エンバーミングをおこなうことで、生前のお姿に近い形でご遺体を保つことができます。また、ご遺体に死化粧を施すなど表面的な処置をする一般的な死後処理(エンゼルケア)とは違い、エンバーマーといわれる有資格者のみが行うことのできる特別な技術です。
どんな場合にエンバーミングを行うのか。
葬儀までに時間を要する場合
火葬場の空き状況や様々なスケジュール上の都合から、ご臨終から火葬まで長期間空いてしまうことがございます。このような場合にエンバーミングをおこなうことで、大切な故人様のお姿を腐敗から守ってくれます。
生前に近いお姿でお見送りがしたい・見送ってほしい
長年闘病生活を送られていた場合などは、薬などの影響でお顔が膨張してしまったり痩せ細ってしまったりということがあると思います。そのような場合にも、「最期だけはお元気だった頃のままのお姿でお見送りがしたい」というご家族様や生前の故人様のご意向などから、エンバーミングを選択される方もいらっしゃいます。
事故などで激しく損傷している場合
軽い損傷であれば納棺師でも対応することができますが、事故などでご遺体の損傷が激しい場合には、エンバーマーによる特殊な技術が必要になります。
空輸の必要がある場合
海外で亡くなられた場合、飛行機で故人様をお運びすることになりますが、安全上の理由からドライアイスの使用ができません。そのためエンバーミングが必要になります。
エンバーミングのメリット
エンバーミングには以下のようなメリットがあります。
安心して故人様に触れることができる
通常、ご遺体の6割は何らかの細菌・ウィルスを持っているといわれています。また特に、感染症でお亡くなりになった場合には、感染防止のため故人様に触れることも許されないままお別れになってしまうこともあります。そういった場合でもエンバーミングを施すことによって安心して故人様に触れ、最期のお別れをすることができます。
ドライアイスなしで腐敗を遅らせることができる
エンバーミングを施すことによってご遺体を冷やす必要がなくなるためドライアイスは必要ありません。
元気だった頃のお姿でお別れができる
エンバーミングを施したお体には死後硬直がありません。また、エンバーミングによって血色を取り戻すことで、まるでお眠りになっているかのような安らかなお姿でお別れをすることができます。
エンバーミングのデメリット
続いてはデメリットです。
ご遺体にメスを入れる必要がある
血管に防腐剤を注入する処置をするため、お体にメスを入れることになりますが、中にはそういったことに抵抗のある方もいらっしゃいます。
費用がかかる
エンバーミングは葬儀プランに含まれていないオプションサービスのため、別途費用が発生します。
時間がかかる
エンバーミングを行うには専門の設備と技術者が必要です。それらを持っていない葬儀社に依頼する場合、施術時間に加えて搬送にかかる日数も必要になるため、故人様にお会いできない時間が少し増えてしまいます。
エンバーミングの流れ
次は、具体的にエンバーミングがどのような流れで行われているのかをみていきたいと思います。
1.書類を提出する
エンバーミングを依頼するには書類を提出する必要があります。
【提出書類等】
・エンバーミング同意書
・死亡診断書(または死体検案書)
・故人様の生前のお写真
※お写真は故人様の生前のお顔のイメージをエンバーマーに伝えるのに役立ちます。
↓
2.ご搬送(安置場所→エンバーミング施設)
ご遺体をエンバーミング施設へとお運びします。
↓
3.洗浄・消毒
ご遺体の状況を確認後、表面の洗浄・消毒を行います。
↓
4,洗髪・洗顔・髭剃り
髪とお顔を洗い、お髭や産毛を整えます。
↓
5.防腐剤注入
お体の一部にメスをいれ、体内にある血液を排出します。その後、動脈から体内に防腐剤を注入し、同時に静脈から血液を排出していきます。
↓
6.縫合
メスを入れたところの縫合を行い、ご遺体に損傷が見られる場合は、必要に応じてその修復を行います。
↓
7.洗浄・化粧
最後にもう一度全身を洗浄し、衣服を着せ、ご希望があればお化粧を施します。
↓
8.ご搬送(エンバーミング施設→安置場所)
エンバーミングを行った施設からご自宅や葬儀社の安置施設などご希望の安置場所へとお運びします。
エンバーミングの費用
エンバーミングにかかる費用の相場は、ご遺体の状況によっても変動しますが、およそ15万〜25万円程度と言われています。その内訳は、以下の内容が含まれていることが多いです。
・ご遺体の搬送料
・エンバーミング施術料
・損傷の修復料
・死化粧
・納棺
念の為、どこまでが料金に含まれているかは見積りできちんと確認しましょう。
エンバーミングの注意点
エンバーミングを依頼する際には、以下の点に注意しましょう。
家族の承諾を得ておく
エンバーミングを施すということはご遺体にメスを入れることになりますが、大切な人の体に傷をつけることに抵抗のあるご家族もいらっしゃいます。家族間で意見の相違があると後々トラブルを招くことにもつながってしまうので、エンバーミングを依頼する前にご家族とよく話し合っておくことをお勧めします。
専門技術を有する業者に依頼する
エンバーミングを行うことができるのは、日本遺体衛生保全協会(IFSA)のエンバーマー資格試験に合格した有資格者だけです。日本には160名を超えるエンバーマーが全国のエンバーミングができる施設に在籍しています。トラブルを避けるためにも、信頼と実績のある業者に依頼することをお勧めします。
まとめ
いかがだったでしょうか。
エンバーミングは、生前の元気だったお姿を再び甦らせることができる特殊な技術です。
メリット・デメリットはそれぞれありますが、慣れ親しんだお姿で安らかに眠る故人様を囲み、お体に触れ、安心して最期のお見送りをするために、必要とされている技術でもあります。
エンバーミングを依頼するか迷われている方は、ぜひこの記事を参考にしていただけたら嬉しいです。
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