お葬式のマナー
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「ご愁傷様です」はどう使う?メールやLINEで書いてもいいの?
「ご愁傷様です」はどう使う?メールやLINEで書いてもいいの?
家族葬のらくおう・セレモニーハウスの葬祭ディレクターの北村です。
お通夜や葬儀の場で耳にする機会の多い「ご愁傷様です」というフレーズですが、「意味は知らないけどなんとなく使っている」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「ご愁傷様です」の意味や使い方のマナーを詳しく解説します。メールやLINEなどの文章でも使えるのか、また「ご愁傷様です」と言われた際にどう返事をすればよいか、などについてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
「ご愁傷様です」の意味
葬儀などで故人様を追悼するための言葉として用いられる「このたびは ご愁傷(しゅうしょう)様です」というフレーズですが、よく意味がわからず使っている方が大半だと思います。
実は「愁」という文字は「うれい」と読み、「嘆き悲しむ」という意味があります。また「傷」は、ここでは心の傷を表しているといえます。つまり愁傷とは、「(相手が)傷ついたことに対して(自分も)嘆き悲しんでいる」様を表しています。
どんなシーン・関係性において使われる?
上述したように「ご愁傷様です」というフレーズは、相手に不幸があった際に、お悔やみの言葉として「私もあなたと同じように傷ついています」ということを伝えるために使われる言葉です。
とても丁寧な言葉のため、友人・知人、近所の方、ビジネス関係の方、親族など、関係性問わず使うことができます。
ただ稀に日常会話の中で何か嫌なことがあった相手に対して、「大変だね、頑張って」のようなニュアンスを込めて皮肉っぽく使う方もいます。その場合は冗談の通じる関係性でないと相手に失礼にあたってしまうので注意が必要です。基本的には、弔事の場においてお悔やみの言葉として使われるフレーズというように覚えておきましょう。
葬儀で「ご愁傷様です」というタイミングはいつ?
「ご愁傷様です」というフレーズが最も多く使われるのは、やはり葬儀やお通夜に参列した際でしょう。ご遺族にお悔やみの言葉を伝える代表的なタイミングとしては以下の3つがあります。
✔︎受付時
✔︎焼香をする時
✔︎会食の席で
ただ上記以外でも、葬儀やお通夜の会場内でご遺族とすれ違ったタイミングにお声がけをすることもあります。
ビジネスシーンでの「ご愁傷様です」はOK?
「ご愁傷様です」は、取引先の方に不幸があった時や、会社の上司の身内に不幸があった時、会社関係者の葬儀に参列した時など、ビジネスシーンでもよく使われるフレーズです。目上の人にも使うことができる格式高いフレーズなので、オフィシャルな場でも安心して使うことができます。ただし文章には適していませんので、ビジネス関係者にメールや手紙等でお悔やみの気持ちをお伝えする際は「謹んで哀悼の意を表します」など、別の言葉を用いるようにしましょう。
「ご愁傷様です」はメールやLINEでも使える?
弔事では使用頻度が高い「ご愁傷様です」というフレーズですが、上述の通りメールやLINE、手紙やハガキなどの文章では使用することができません。もちろん弔電を送る際にも適していません。あくまでも対面やお電話でお悔やみの言葉をお伝えする際に使用する言葉として覚えておいてください。お悔やみの言葉の中には文章で使えるものもあり、TPOを踏まえて使い分けることが大切です。「ご愁傷様です」以外のお悔やみの言葉は、次章で解説します。
「ご愁傷様です」以外のお悔やみの言葉
ここでは弔事において用いられるお悔やみの言葉をいくつかご紹介したいと思います。お悔やみの言葉の中には、文章・口頭の両方で使えるフレーズと、口頭のみ/文章のみ でしか使えないフレーズがあります。また故人様が生前信仰していたしていた宗旨宗派によっては、適さないフレーズなどもありますので注意しましょう。
【お悔やみの言葉一覧】
文章 | 口頭 | 特記事項 | |
お悔やみ申し上げます | ◯ | ◯ | お通夜・葬儀のみで使われるフレーズです。 |
ご冥福をお祈り申し上げます | ◯ | × | 浄土真宗・キリスト教では使わないフレーズです。 |
残念でなりません | ◯ | ◯ | 他のお悔やみの言葉と合わせて使われます。 |
哀悼の意を表します | ◯ | × |
お悔やみ申し上げます
こちらは、文章・口頭問わず使えるフレーズで、「心よりお悔やみ申し上げます」などのように使われることが多いです。ただし、故人様がお亡くなりになられた直後に使われる言葉になりますので、お通夜や葬儀の場以外では用いないようにしましょう。
ご冥福をお祈り申し上げます
こちらは、「死後の幸福を祈っています」「死後の世界に無事に行けますように」という意味が込められており、文章のみで用いられるフレーズです。口頭では用いませんので注意しましょう。
本来お悔やみの言葉はご遺族に対して伝える言葉ですが、「ご冥福をお祈りします」は故人様に対する言葉であることも認識しておきましょう。
また冥福の「冥」は仏教における死後の世界である「冥土(めいど)」を表しています。そのためキリスト教や、往生即成仏(亡くなった方はすぐに仏になられる=冥土を彷徨うことがない)という教えの浄土真宗の葬儀では用いられません。
残念でなりません
言葉の通り、「故人様の死を残念に想っている、悔しい」という気持ちを表しています。文章でも口頭でも使用することができますが、「このたびは突然の訃報を受け残念でなりません 心よりご冥福をお祈り申し上げます」のように、他のお悔やみの言葉と合わせて用いられることが多いです。
哀悼の意を表します
文章のみで使用されるフレーズで、弔電などで「謹んで 哀悼の意を表します」のように用いられることが多いです。哀悼は読んで字の如く、哀しみ悼むことを表しており、「故人の死を思い、心が哀しく嘆いています」という意味を表しています。
親しい間柄で用いられるお悔やみの言葉
親しい間柄では、よりカジュアルにお悔やみの言葉をお伝えすることもあります。その際は、
「大変でしたね」
「寂しくなります」
「突然のことで本当に残念です」
「お心を落とされませんように」
などのフレーズが、よく用いられています。
「ご愁傷様です」と言われた時の返事は?
ここでは、もしあなたがご遺族側の立場で、関係者から「このたびは ご愁傷様です」と声をかけられた場合どのように返答すればよいかについてお伝えします。
そのような場合、以下のような返答がよく用いられています。
シンプルに感謝の気持ちを伝える
「ご丁寧にありがとうございます」
「お心遣いいただき ありがとうございます」
また、ご家族を亡くされた直後で、言葉にならない時もあるかと思います。そんな時は、黙礼するだけでも感謝の気持ちをお伝えすることができます。
相手のご厚意に恐縮していることを伝える
「痛み入ります」
「恐れ入ります」
どちらも相手のお気持ちに感謝すると共に、そのご厚意は自分にはもったいないことだと恐縮する気持ちを表している言葉です。
「お悔やみ痛み入ります」
「ご丁寧に恐れ入ります」
「お心遣い痛み入ります」
のように用います。
生前のご厚意への感謝を組み合わせて用いる
「恐れ入ります。生前は父がお世話になりました」
「ご丁寧にありがとうございます。 生前は祖父がお世話になりました」
というように、「生前はお世話になりました」という言葉を後に続けて使うことも多いです。
「ご愁傷様です」と伝える際の注意点
最後に、「ご愁傷様です」というお悔やみの言葉をお伝えする際に、注意すべきポイントをお伝えします。
シンプルに伝える
大切な方を亡くされ心を痛めているご遺族の気持ちを考慮し、長々と自分の気持ちを伝えることは避けましょう。端的にお悔やみの言葉を述べるのがマナーです。
使っては行けない「忌み言葉」がある
弔事の場では、なるべく使用を避けた方がよい「忌み(いみ)言葉」というものがあります。知らないとつい使ってしまいがちなフレーズが多いため、「ご愁傷様です」に付け加えてお伝えすることがある場合は、意識して使わないようにしましょう。
中でもよく使ってしまいがちな言葉が「くれぐれも」「重ね重ね」のような繰り返す言葉です。これは「不幸を繰り返す」と捉えられてしまうため避けられています。また「引き続き」のような、不幸が続くことを連想させる言葉や、「死ぬ」「苦しむ」など直接死を思わせる言葉も避けた方がよいとされています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ここまで、葬儀の場でよく用いられる「ご愁傷様です」の意味や使い方などを詳しく解説してきました。お悔やみの言葉の定型分として何気なく使っている言葉でも、意味を知ることで心を込めてお伝えできるのではないでしょうか。
また、お悔やみの言葉には文章に適さない言葉や、使ってはいけない言葉などもあるため、普段以上に言葉の扱いには気を配る必要があります。これから葬儀に参列されるご予定のある方は、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
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