ご葬儀のこと
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【火葬待ち】都市部で深刻化。費用負担はどれくらい?注意点も解説
【火葬待ち】都市部で深刻化。費用負担はどれくらい?注意点も解説します。
家族葬のらくおう・セレモニーハウスの葬祭ディレクター朝田です。
最近、都市部で火葬場不足が深刻化していると一部メディアなどが報道しています。それに伴い、ご逝去から火葬までに数日〜数週間の期間があいてしまう「火葬待ち」が増えています。通常であればご逝去の翌日がお通夜、その翌日が葬儀・火葬となりますが、火葬待ちによってひどい場合で2週間も葬儀までの期間が空いてしまう場合があります。
今回は、そんな「火葬待ち」について、社会背景やそれによって生じる費用負担、ご家族様が知っておくべき注意点などを解説します。
火葬待ちとは
高齢化による死者数の増加により、火葬場が一時的に足りない状況が続き、ご遺体を長期間火葬することができない状況のことを「火葬待ち」といいます。火葬待ちは主に人口が集中する都市部で起きている社会現象です。
火葬待ちの原因
前述の通り、高齢化によってお亡くなりになる方が増え、火葬炉の数が追いついていないことが原因です。
厚生労働省の人口動態統計によると、2022年の死者数は156万8961人と、過去最多を記録しました。2021年の死者数が143万9856人であったため、この1年で13万人近く死者数が増えていることになります。10年前の2012年の死者数と比べても、1.25倍に増加していることから、現代は「多死社会」であるということができます。
今後懸念される現象
現在は関東や関西など人口の多い都市部で起きている「火葬待ち」ですが、火葬場が足りない地域の住民が、その近隣の地域の火葬場を利用することで、周辺地域にも影響が出る可能性が懸念されています。
今後の火葬待ち状況予測
死亡者数の増加は、2040年をピークにその後も長い間高止まりをすると予測されています。そのため当たり前ですが火葬待ちの対策として、各市区町村に火葬場を増やす必要があります。神奈川県横浜市では、このような状況に対応して2025年度までに火葬場が新設されることが決まっていますが、火葬場新設には、住民の許可を得づらいことや、自治体の財政上の問題などから多くの自治体にとっては容易なことではありません。そのため都市部においては、今後しばらくは火葬待ちの状況が続くとみられています。
火葬待ちにかかる費用
火葬待ちが長ければ長いほど、ご遺体安置のための追加費用が必要になります。
安置にかかる追加料金
通常葬儀社のセットプランには、2日分など一定期間の安置にかかる料金は含まれているものですが、それを超えた場合は日数分の追加料金を支払う必要があります。
保管料金の内訳は安置施設の場所代とご遺体を冷やすためのドライアイスの料金です。
場所代は一日あたり10,000円程度、ドライアイスの料金は1日あたり5,000円〜10,000円が相場です。つまり1日追加で安置するだけで15,000円〜20,000円程度の費用がかかる計算になります。
もしご自宅に安置される場合は場所代は不要となりますが、追加のドライアイス料金は必要です。また必要なドライアイスの量は、季節や部屋の温度によっても変わります。ちなみに夏場でも室温を18度以下に保てる環境であれば、冬場と同じ量のドライアイスで問題はないとされています。
ご遺体を長期間保存するエンバーミング
エンバーミングとは、ご遺体を衛生的に保つために、防腐・殺菌・修復処理を施す技術のことです。火葬場の空きがなく、ご逝去から火葬まで期間が空いてしまう場合にはエンバーミングを施すことで、ドライアイスなしでご遺体の腐敗を遅らせることができます。一般的にドライアイスでご遺体の劣化を防ぐのには、4〜5日が限界とも言われているため、それ以上の期間安置しておくためには、エンバーミングが効果的です。エンバーミングにかかる費用は、搬送料、施術料、死化粧、納棺などが含まれて15~25万円程度が相場となります。また期間が長期間に及ぶ場合、ドライアイスで対処するよりもエンバーミングの方が費用的に抑えられるケースも考えられます。気になる方は葬儀社のスタッフに相談してみましょう。
火葬待ちで注意すること
火葬待ちでお近くの火葬場の予約が取れない場合、少し離れた火葬場で火葬を行うケースもあるかと思います。その場合は、料金に注意してください。基本的に、故人様(火葬場によっては喪主様)がお住まいの地域であれば火葬料等が安くなる市民割引制度を導入している火葬場がほとんどです。もしお住まいの自治体以外の火葬場を利用する場合は、料金が大幅に高くなってしまうことが考えられます。火葬料金と安置にかかる料金を天秤にかけて、より安価な方を選択するなどの対応が求められます。
火葬待ちの対策として考えられること
火葬待ちは、火葬場の数を増やすことで解消することができますが、前述の通り火葬場の新設はそう簡単にはできません。そのため今後の対策としては、これまで縁起が悪いと避けられてきた「友引」の日に火葬を行なったり、空き状況によっては先に火葬を済ませてから葬儀をおこなうなど、利用する側の工夫も必要になりそうです。
火葬までの流れ(必要な手続き)
最後に、火葬を行うまでに必要な手続きについてお伝えします。
通常、火葬場の予約がうまくいけばご逝去の翌々日が火葬となります。ここでは火葬に関するルールと、火葬までにご家族様がしておくべき手続きについてお伝えします。
死後24時間は火葬できない
日本では、ご逝去から最低24時間は火葬をすることができないと法律で定められています。これは、医療が発達した現在では起こりにくいことではありますが、死亡したと思っていた人が生き返る可能性を考えての猶予期間として設けられているものです。つまりお通夜やお葬式を行わない火葬式・直葬の場合でも、ご逝去後24時間は、どこかにご遺体を安置しておく必要があります。
また、たとえばお亡くなりになった時間が夕方の18時だった場合は、翌日の18時以降に火葬を執り行うことができるようになりますが、火葬場の営業時間が17時までの場合は、さらに1日後が最短の火葬日となります。葬儀のスケジュールを組む時には、火葬場の営業時間や空き時間を考えて、安置に必要な期間をみておく必要があります。
死亡届の提出(火葬許可証の発行)
火葬をするためには、必ず自治体の許可を得る必要があります。故人様のお住まいの自治体に死亡届と死亡診断書(または死体検案書)を提出し、「火葬許可証」を発行してもらうことで初めて火葬を執り行うことができます。
ちなみに死亡診断書は臨終に立ち会った医師が作成します。その左側が死亡届になっているため、必要事項を記入して市区町村の窓口に提出します。事故や事件でお亡くなりになった場合は、警察による検死が行われた後に検視官が発行する死体検案書を持参します。
死亡届・死亡診断書(または死体検案書)が受理されると、火葬許可書がその場で発行されます。火葬許可書は、火葬の際に必ず火葬場へ持参しましょう。
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