家族葬のらくおう・セレモニーハウスの葬祭ディレクターの遠藤です。近年需要を伸ばしている家族葬ですが、少人数の葬儀だからこそ、会場選びは重要です。そんな中、家族葬をお寺で行いたいと考える方も多いのではないでしょうか。お寺で葬儀を行うことで費用を抑えられるともいわれています。
そこで今回は、お寺で家族葬はできるのか、費用はどのくらいかかるのか、葬儀の流れはどうなるのか、などについて詳しく解説します。お寺で葬儀を行うことによるメリットやデメリットについてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
お寺で家族葬はできる?
まず最初に、そもそもお寺で家族葬を行うことができるのかについてですが、家族葬に限らずお寺で葬儀を行うことは可能です。しかし、できるできないはお寺によっても異なりますので、直接確認しなければわかりません。基本的には故人様やご家族様がそのお寺の檀家である場合に利用できることが多いですが、中には葬儀会場として本堂を広く一般に開いているお寺もあるようです。そのため、家族葬の会場として利用したい寺院がある場合は、まず最初にその寺院に直接問い合わせてみることからはじめてみましょう。
お寺で家族葬を行うメリット・デメリット
お寺で家族葬を行う場合、一般的な葬儀会館で行う場合に比べてどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット
- 荘厳な雰囲気の中、葬儀を執り行うことができる
いうまでもなくお寺は、仏式の葬儀を行うにあたって最も相応しい場所です。格式高い会場で故人様を見送ることができる寺院葬は、ご参列の方々にとっても、記憶に深く刻まれる葬儀になることでしょう。 - 葬儀費用を抑えることができる
詳しくは費用の章で後述しますが、寺院葬では会場代、祭壇代、僧侶の交通費を抑えることができるため、一般的な葬儀に比べて費用を安く抑えられるといわれています。 - 家族葬に適した広さ
今では家族葬専用ホールも全国に増えつつありますが、大勢の人が参列する葬儀用に作られている葬儀会館もまだまだ一般的です。そのような会場は少人数の家族葬には広すぎて落ち着かないなどの理由から、お寺での葬儀を希望される方もいらっしゃいます。
デメリット
- 誰でも利用できるわけではない
基本的には「檀家だけが利用できる」というような条件が設けられていることが多いです。お寺によっては檀家でなくても受け入れてくれる場合もあるようですので、まずは、希望するお寺に確認してみましょう。 - バリアフリーではない
そもそもお寺は葬儀のために作られた空間ではないため、一般的な葬儀会場のような快適さは期待できません。特に小さいお子さんやご高齢の方、足の不自由な方などがいらっしゃる場合は、細心の注意が必要になります。 - お寺の繁忙期にはできない可能性がある
お盆やお彼岸など、お寺にも繁忙期というものがあります。そのような時期には会場に空きがなく利用できないことが多いです。 - 人件費が多くかかる場合も
お寺は葬儀専用に作られた会場ではないため、たとえば入口で靴を間違えないように渡す下駄箱係や、駐車場の誘導係が必要になるなど、ケースバイケースで人件費が嵩んでしまうことがあります。 - 葬儀内容のアレンジが難しい
身内中心の家族葬は、心のこもったアットホームな葬儀にできることが魅力の一つです。そのため「式中に思い出のDVDを流したい」などのご希望もあるかもしれません。しかしお寺は葬儀をするために作られた場所ではないため、葬儀会館では当たり前に実現可能なことも、お寺では難しいということがあり得ます。
お寺での家族葬にかかる費用とは
次に、お寺での家族葬にかかる費用の内訳についてお伝えしておきたいと思います。お寺での家族葬も葬儀会館で行う家族葬も、かかる費用の内訳は同じで、以下のような内容になります。
- 葬儀社に支払う葬儀費用一式
- 僧侶にお渡しするお布施
- 変動費(食事・返礼品等にかかる費用)
- 火葬場に支払う火葬料
具体的にはどのような費用なのか、それぞれみていきましょう。
①葬儀社に支払う費用
「家族葬一式〇〇万円〜」というように、葬儀社のホームページ等に掲載されている費用があると思います。これは、ご遺体の搬送費や会場費、人件費、祭壇や棺にかかる費用、ご遺体安置のためのドライアイス代などの費用がセットになった金額です。何が含まれているかは葬儀社のプランによってもかわるので、よく確認しておきましょう。
②僧侶にお渡しするお布施
お通夜や葬儀の際に読経をしていただいたり、故人様のあの世でのお名前である戒名(かいみょう)を授けていただいたお礼として、僧侶にお渡しする費用のことです。それとは別に、僧侶の交通費として「お車代」、僧侶が会食に参加されない場合は、お食事代として「御膳料」もお渡しする必要があります。
基本的にはお布施の金額に決まりはなく、宗旨宗派やお寺との関係性によっても変わってきますが、一般的にお通夜や葬儀で読経していただく際のお布施は20万円〜、戒名を授けていただいた場合は20万円〜100万円程度の費用が必要になるといわれています。それに加えてお車代・御膳料がそれぞれ5,000円〜1万円程度となります。家族葬のお布施については、ぜひ以下の記事も参考にしてください。
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③変動費(返礼品や会食にかかる費用)
家族葬の場合、人数が決まっているのでそう大きく変動することはありませんが、返礼品や香典返し、通夜振る舞いや精進落としといった会食にかかる費用のように、当日の参列者の人数によって変わる費用のことを変動費といいます。家族葬の場合は、香典を辞退するケースや、会食の席を設けないケースも少なくありませんが、返礼品は一人当たり3,000円程度、香典返しは、受け取った香典の半額〜1/3程度の額、会食は一人あたり4,000円程度が相場となっています。
④火葬場に支払う費用
火葬にかかる費用は各自治体によっても異なりますが、基本的にその自治体に住民登録されている方であれば、市民割引が適用されるため、数千円〜1万円以内に収まる自治体が多くなっています。ご自身の自治体のHPで金額を確認しておきましょう。
お寺の葬儀は、費用を抑えられるって本当?
お寺で葬儀を執り行うことで、以下の費用を抑えることができます。
- 会場費
会場費はお布施に含まれることが多いため、葬儀会館を借りるのに比べて費用を抑えることができます。 - 祭壇代
お寺の本堂にはすでに祭壇が設置されていますので、新たに祭壇を設ける必要はありません。ちなみに葬儀で使用される祭壇は、大きさや飾り付けなどによっても変わりますが、最もシンプルな白木祭壇でも10万円程度〜、高いものだと120万円もするものなどもあります。 - 僧侶の交通費
お布施の費用のところで、僧侶の会場までの交通費として「お車代」をお渡しするとお伝えしましたが、お寺の葬儀ではその必要はありません。ちなみにお車代は一日につき5,000円〜1万円程度が相場となっています。
お寺で家族葬を行う場合の「流れ」
基本的に、家族葬の流れはお寺で行う場合も葬儀会館で行う場合も同じ流れで進むと思っていただいて問題ありません。具体的には以下のような流れになります。
①葬儀社に連絡をする
医師から臨終を告げられたら、まず葬儀社に連絡をします。その際、葬儀社にお寺での葬儀を希望していることを伝えましょう。もし特定のお寺の檀家でない場合には、葬儀社がお寺を紹介してくれることもあります。また病院でお亡くなりになられた場合は、2〜3時間以内にはご遺体を別の場所へ搬送・安置する必要があります。ご自宅または葬儀社の管理する安置施設など、ご希望の安置場所を予め決めておくとスムーズです。もしどこに安置したらよいかわからない場合は、葬儀社に相談しましょう。
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②搬送・安置
葬儀社が、お亡くなりになられた場所から、葬儀までの間ご遺体を安置しておく場所へ、故人様をお運びします。
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③葬儀社・寺院との日程調整/打ち合わせ
ご遺体を安置後、葬儀の内容や日程について葬儀社やお寺と打ち合わせをします。この時に、家族葬や一日葬などの葬儀形態や、葬儀の規模感、返礼品や会食の有無などを決め、葬儀にかかるおおまかな費用を算出します。
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④納棺・お通夜
故人様を棺に納める納棺の儀を行ったあと、夕方からお通夜を執り行います。
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⑤葬儀・告別式・火葬
お通夜の翌日の日中に葬儀・告別式を執り行い、そのまま火葬場へと移動して火葬を執り行います。
まとめ
いかがだったでしょうか。ここまで、「お寺で家族葬を行うことはできるのか」、また「費用はどれくらい必要か」、「お寺で家族葬を行う場合の流れやメリット・デメリット」などについて解説してきました。
身内中心の家族葬だからこそ、大きな葬儀会館ではなくお寺で行いたいと考える方も多いと思います。お寺での家族葬を希望される場合は、まずは希望する寺院に確認することからはじめてみましょう。お寺だからといって葬儀の流れが変わることはありません。またお寺ならではの格式高い葬儀を行うことができるというメリットもあります。しかし、葬儀用に作られた空間ではないため、快適さや葬儀内容の自由度の面では、我慢しなければいけない点があることも念頭においておきましょう。
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